自分と向き合う為に

子供を産んで一週間後、不倫の末に21歳の主人を亡くしました。
答えの無い毎日、消えない痛み。
誰にも吐き出せない想いを少しずつ吐き出して、本当の意味で前に進める様に。

複雑な想いの芽生え

旦那のお家に行くと、

旦那のお母さんと妹ちゃんが息子の手を引き、


パパの所に行こう〜

とお仏壇の前に連れて行く様になった。




まだまだ自分がされた事が消化出来て居ない私はそれをされる事がとても辛かった。





私は旦那にされた事、

今でも辛く苦しい事を隠して生きてる。



悔しくてどうしようもなくて、

共通の知人も多い不倫相手を許せず、

周りに本当の事を全て話してやりたかった。


そんな想いに駆られる日も何度も何度もあった。




だけど、それをしなかったのは、

息子が後ろ指指される様な事に成りかねないから。

未来ある息子に少しでも辛い思いをさせたくないから。




散々な妊娠、出産を経て、

旦那の子だから大切に守り育ててきた訳じゃない。




私は、私の子だから、

息子を大切に命懸けで産んだ。




だけど、

旦那のお母さんは、私が何をされたか、

もう忘れてしまっているかの様に接する。



それが、苦しかった。




どんなに私が旦那の家族を想っても、

私の事は心から想ってくれて居ないんだと

初めて感じてしまった。





心のどこかで、

息子の事を、あの嘘つきの裏切り者の旦那の子だと思いたくなかったのかもしれない。



亡くなってしまった人に

そんな事想ってはいけないと自制していても、


自分がされた事、踏みにじられたプライド、

全部いくら時間が経っても解決されず、

心に残り、行く宛が無く辛いだけだった。





旦那のお母さんや妹ちゃんは、

勿論悪気無く、



ただ息子にパパという存在を、


お母さんにとっては、

亡き息子が父親である事を認識したいのと、

そういう想いで発していた言葉だと思う。






私と、私の母は、その言葉を聞き、

心のどこかで、


何が父親だ。

父親らしい事何もせず逃げたくせに。


と、本当に正直な心の内にはそんな想いがあった。




それが本当に正直な心の奥底の気持ち。

出逢い

そんな日々が続いた。





正直、

私は旦那にされた事に対する傷は癒える事も無く、恋愛からかけ離れた生活で考えない様にしていた。



少しずつ日常を取り戻していくと、

誰かに支えて欲しいと思う時もあったけど、

恋愛や結婚に対するトラウマや怖さが圧倒的に強かった。






そんな中、たった一年半後に

私の想像を超える出逢いがあった。




初めは普通の友達で、

絶対に恋愛になる訳ないと思っていて、

だからこそ色んな話を包み隠さず話した。




県外の人だったのに、

まさかの会いにやってきた。




それでも一切恋愛モードに無い私に

こんな暗くて重い過去を持っている私に

猛アプローチをしてきた彼。



今考えても不思議でしかない。




でも、押しに押されて

お付き合いが始まった。








それからも、

旦那の家族とは変わらず仲良く過ごしていた。




皆が少しずつ日常を取り戻し、

余裕が出来てきた頃、

色んな事が変わり始めたのかもしれない。

遺された家族達

それから何度も

旦那の家族と時間を過ごした。




遺された家族の気持ちを考えると

どんなに辛く、哀しいか、



そう思うと、想像すると、私まで辛くて



旦那が遺していった息子を見れば、

きっと皆その時だけでも元気が出る。

私に出来ることはやってあげよう。



その時は、素直にそう思っていた。






何度か私と息子で泊まりにも行った。




私の家族と旦那の家族で遊びにも行った。




皆で息子を囲んで笑顔の時間を過ごした。






私にとっては勿論、

皆にとって、息子が太陽。



小さい体で、

皆を誰よりも元気にしてくれた。



一つ一つの仕草に笑いが起き、

声を出すと皆が喜び、寝てても癒しだった。





そんな日々が続いた。


供養の関係で遅れたお宮参りも、

大きな鯉のぼりをあげて貰った初節句も、

初めて迎えた一歳のお誕生日も、



全部、皆で息子をお祝いした。




とても、有難くて、

我が子を愛して貰っている事が嬉しかった。